ー兵庫県南部地震・阪神淡路大震災 30 年ー 明石市立天文科学館の大時計を 5 時 46 分で停止します

兵庫県南部地震・阪神淡路大震災 30 年
明石市立天文科学館の大時計を 5 時 46 分で停止します

 1995 年 1 月 17 日午前 5 時 46 分に発生した兵庫県南部地震では、明石市も甚大な被害を受けました。明石市立天文科学館も被災し、再開には 3 年 2 ヶ月を要しました。日本標準時の象徴となる大時計は、5 時 46 分で停止しました。
 2025 年に地震発生から 30 年となることから、30 年前の出来事を思い出し、復旧・復興のあゆみをふりかえり、今後の防災について考える契機になることを目的に、2025 年 1 月 17 日に、大時計を午前 5 時 46 分で停止します。

実施日

2025年1月17日(金)午前5時46分~午後5時46分

内容

①大時計停止

 当館 3 階展示室にある親時計(塔時計の制御時計)前で担当職員が当館の大時計を地震発生時刻午前 5 時 46 分で停止します。停止作業後、出勤している職員による 1 分間の黙とうが行われる予定です。一連の作業については、早朝におこなわれるため、一般見学はできませんが、取材は可能です。取材希望の場合は事前にご連絡ください。
 停止は午後 5 時 46 分まで継続し、その後、通常状態に戻します。

② 避難訓練

プラネタリウムで小学生が参加した避難訓練を行います(9 時~11 時)。

③ パネル展示

館内に当時の状況などを紹介するパネル展示を行います。(展示期間 1 月 17 日~31日)

そのほか

当日(2025年1月17日)は通常開館です。当館の外観は敷地内ほか、市内各所で見ることができます。


明石市立天文科学館と兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)

 1995(平成 7)年 1 月 17 日午前 5 時 46 分。明石海峡付近の地下 14㎞を震源とするマグニチュード 7.2 の「兵庫県南部地震」が発生しました。激震によって天文科学館も大きな被害が出ました。玄関前の床は 20㎝ほど沈下。施設全体では亀裂がのべ6kmに及びました。高塔の外壁には、多数の X 状の亀裂がはいり、13 階と 14 階の中間あたりで、内塔にあたる直径 3m のエレベーターシャフトが折れた状態になりました。
 直径 6.2m の大時計は、地震発生時刻 5 時 46 分を示したまま停止してしまいました。この大時計は、3 階展示室にある親時計(水晶時計)からの信号を受けて、モーターが稼働する仕組みになっていました。高塔内部の倒壊で大時計までのケーブルが断線し、時計が停止したと思われます。断線部分を修理した 1 ヶ月後の 2 月 17 日正午に再び日本標準時を刻みはじめました。
 全体に被害は甚大でしたが、幸運なことにプラネタリウム機械本体には被害がありませんでした。最終的にこのことが大きな後押しとなって天文科学館を復興させることになりました。
 1997 年 6 月に 3 代目の大時計に取りかえられました。2 代目大時計は神戸学院大学有瀬キャンパスに移設されました。
 天文科学館は 3 年 2 か月の復旧工事を経て 1998 年 3 月に再開しました。プラネタリウムはその後も稼働し、国内現役最古の投影機として投影を続けています。日本標準時子午線の象徴である明石市立天文科学館は、震災復興の象徴という一面も持っています。