展示室


“時と宇宙の博物館”として、子午線、天文、天体観測、暦と時をテーマに展開します。
特別展示室では定期的に展示が入れかわります。

子午線のまち・明石

子午線のまち明石のジオラマ

1/800の縮尺で明石市内の子午線標識の位置や観光施設等を紹介するジオラマ模型。
明石の子午線に関する歴史や過去の子午線通過証も展示しています。

地球儀時計

この地球儀時計には、2つの機能が付いています。1つは、世界の国や都市の現在の時刻が一目で分かります。知りたい都市を地球儀から探して、赤道上の時刻目盛環から時刻を読み取ります。もう1つは、地球儀をボタン操作で回転させて、ある国の時刻から他の国の時刻を知ることができます。また、テーブル上には、デジタル表示で本初子午線通過都市のロンドン(経度0度)、日本標準時子午線通過都市の明石(東経135度)、明石市の姉妹都市である無錫市(中国)とバレホ市(アメリカ)の4都市の時刻が表示されています。

世界の標準時

日本(明石)をはじめ、イギリス、アメリカ、ブラジルなど、世界各地の現在の時間を見ることができます。

ザルトリウス子午儀・バンベルヒ子午儀

ザルトリウス子午儀は、1928(昭和3)年に京都大学地球物理学教室の野満隆治博士らが、明石中学(現在の明石高校)で経度観測を行なったときに使用した口径37mmの経緯儀です。バンベルヒ子午儀は、1951(昭和26)年に京都大学地球物理学教室の上田穣博士らが、人丸山で経度観測を行なったときに使用した口径65mm屈曲式の子午儀です。

フォース子午儀・アスカニア子午儀

フォース社製の子午儀と、アスカニア社製の子午儀があります。このうち、口径90mmのアスカニア子午儀は、京都大学で使用されていたものです。精密な観測が可能であり、かつて東京天文台で日本標準時の決定に使われていたものと同型の子午儀です。

子午儀(金星太陽面通過観測子午儀)

明治7年・1874年12月9日に、金星が太陽面を通過する珍しい天体現象が起こりました。この現象を観測し、太陽までの距離を正確に測るため、アメリカ、イギリス、フランス、メキシコの観測隊が日本にやってきました。このとき、フランスの観測隊が神戸の諏訪山で観測をおこないましたが、天文科学館にある口径55㎜の子午儀は、その時に使われたものと伝えられています。

天文ギャラリー

太陽望遠鏡

晴れた日には部屋の壁面の投影板に太陽像が投影され、観覧者は自由に見ることができます。この太陽像は4階屋上に設置された25㎝のクーデ式太陽望遠鏡でとらえたもので、ほかに、白色光とHα光を観測するテレビカメラ用の望遠鏡があり、プロジェクターで映し出すことができます。
また、周囲の壁では、さまざまな顔をもつ太陽系の天体の姿を写真で紹介しています。太陽についてもっと深く知る解説映像「もっと知りたいよう」もご覧いただけます。

太陽系儀

8つの惑星と冥王星と月が公転周期に正確に比例して太陽を中心に回る模型。ハンドルでまわすようになっており、惑星の会合周期や金星の満ち欠けも理解できます。

惑星の表面

月や地球型惑星(水星、金星、地球、火星)の表面の地形を表現した模型は、見るだけでなくさわることによって、凹凸がわかるようになっています。

隕石

隕石は、多くが小惑星のかけらと考えられ、ときどき地球に落下してきて、人の目にふれます。隕石は、太陽系の誕生や生命の起源を研究する上で、貴重な資料です。当館では、鉄隕石、石鉄隕石、石質隕石エコンドライト、石質隕石コンドライトの4種類を展示しています。

銀河系儀

銀河系の構造や太陽系の位置が理解できる美しい銀河模型を展示しています。

大型映像(天文ギャラリー)

大画面映像で、大迫力の映像が体感できます。現在、「地球から宇宙の果てまで(約3分)」、「星の大きさ比べ(約3分)」、「恒星の一生(約4分)」を上映しています。

ブラックホールであそぼう

「ブラックホールであそぼう」では、空間のゆがみをイメージできます。転がしたボールは、「ブラックホールに引っ張り込まれていくガス」のように、中心に近づくほど速度が速くなります。そして、最後はストンとブラックホールに落ちます。

月の石のレプリカ

アポロ計画で採集された月の石のレプリカを展示しています。

小惑星イトカワとはやぶさ

日本の小惑星探査機はやぶさの模型(50分の1)や、はやぶさが探査した小惑星イトカワ模型(2000分の1)を展示しています。

恒星の一生

夜空に輝く星たちをよく見てみると、それぞれ大きさや色に違いがありますが、それは私たちと同じように星にも寿命があるからです。恒星は、星の間を漂うガスが収縮して核融合がはじまると誕生します。ガスから生まれた星は、一生のほとんどを安定した主系列星としてすごし、最後に大きくふくれた後、重さに合わせてさまざまな死をむかえます。このコーナーでは、恒星の一生を天文学研究で使用されるH-R図をわかりやすいグラフィックで紹介しています。

季節の星座

夏の星座と冬の星座を学びましょう。

銀河・太陽系ナビゲーション

モニターで「銀河」「太陽系」「宇宙開発」について紹介しています。それぞれカテゴリーで分けられており、詳しい解説を見ることができます。

宇宙開発

一冊のSF小説は、宇宙を夢見る科学者たちの探究心をかきたて、科学技術の発展とともに宇宙遊泳や月面着陸を成功させました。このコーナーでは、世界と日本の宇宙開発の歩みをグラフィックと精密模型で紹介しています。「世界の宇宙開発」では、人工衛星スプートニク1号、アポロ11号月面着陸船、惑星探査機ボイジャー2号、スペースシャトルエンデバー号、宇宙ステーションミール、火星着陸型探査機マーズ・ローバー、国際宇宙ステーションの精密模型を、「日本の宇宙開発」では気象衛星ひまわり、月周回衛星かぐや、HⅡBロケット、おおすみ、M3S2ロケットなどの模型を展示しています。

時のギャラリー

月の満ち欠け

月は夜を明るく照らし、その満ち欠けを見て日を数えることもできます。日本で明治のはじめまで使っていた太陰暦は、月の満ち欠けに合わせてつくられた暦です。このように、月は、昔から人々にとってもっとも親しまれてきた天体です。このコーナーでは、月の満ちかけを体験できる参加体験型装置があり、自分で触って「月の満ち欠け」を学ぶことができます。

三球儀

地球は自転をしながら、1年で太陽の周りを公転しています。また、月は地球の周りを27日(星に対して)で公転しています。そのようすを表現したのが三球儀です。地球は、自転軸(地軸)をいつも決まった方向に23.4度傾けているので、軌道上を公転するにつれて、北半球と南半球への日光の当たり方が変わってきます。このために季節変化がおこります。三球儀では、その様子や、日食や月食のおこる様子を見ることができます。

淳祐天文図

中国では、天は一つの国家であるとの考えがあり、星座には官職や職業などの名がつけられているのが特色です。淳祐天文図は、北宋時代の元豊年間(1078~1085年)におこなわれた観測にもとづいて、淳祐7(1247)年に黄裳が作ったもので、星の実測によって作 られた星図としては、世界に誇る文化的遺物といえます。当館展示の淳祐天文図拓本は、長江下流の蘇州市の孔子廟に刻んで残されていたものの拓本です。

大型映像(時のギャラリー)

幅が約3m、高さが約1.7mの大型スクリーンで、映像をご覧いただけます。タッチパネルから選んで、「時の記念日のうた」や「時計」、「情報通信研究機構提供のうるう秒(2017年)」、「南極の太陽の動き」「月の満ち欠け」「月食のしくみ」などのコンテンツを見ていただくことができます。

時計原理模型

時を計る道具のはじまりとされる日時計から、現在一般的に広く使われているクォーツ時計まで、指針の動くしくみや制御方法、表示方法など基本的なしくみを紹介する装置を展示します。(日時計、水時計、クォーツ時計、分銅時計、ゼンマイ時計、振り子時計)

時計の歴史

時計のはじまりである日時計から、誤差が1/1000秒しかない水晶時計まで、より正確に時間を知るためにさまざまな時計がつくられてきました。精度の向上とともに時刻制度が変化していった時計の歴史をパネルで紹介します。

日時計コレクション

後藤晶夫さんのコレクションをはじめ、さまざまな日時計を展示しています。日時計は、立てた棒の影が太陽の動きに合わせて動くようすから時刻を読み取ることができます。

和時計

和時計は、江戸時代に日本で作られた独特の時計で、錘(おもり)が落ちるのを振りテンプで調整しながら針を動かす「櫓(やぐら)時計」や「掛(かけ)時計」、錘が落ちる長さから時間の経過を知る「尺時計」、ゼンマイを使用した「枕時計」と呼ばれる置時計などの種類があり、美しい文様や彫刻に飾られています。江戸時代には、昼と夜をそれぞれ6刻に分けたので、季節によって、また昼と夜とで1刻の長さが違います。それに合わせるような独特の「からくり」を江戸時代の時計職人は作りました。日本独自に発達した時計である和時計の貴重な実物などを展示します。

いろいろな時計

ユニークな時計、珍しい時計など、各種時計展示を多数展示します。

セシウム原子時計

原子時計とは、セシウム原子の持つ性質を利用して制御する時計のこと。かつて日本標準時決定に使用されていた実物を展示します。セシウム原子は1秒間に91億9263万1770回振動する電波を吸収する性質があります。水晶振動子でそれと同じ振動数の電波を作り、セシウム原子にあて、この電波の振動数が少しでもずれると、セシウム原子は水晶振動子からの電波を吸収しなくなります。するとすぐに水晶時計に信号を送り、ずれを修正します。日本では、独立行政法人情報通信研究機構(東京都小金井市)のセシウム原子時計によって、1秒ごとにJJY標準電波が発信されています。

時報を知るまで

時報がどのようにして知らされるのかを紹介します。

暦と時のナビゲーション

暦と時についての情報を得ることができます。

親時計

天文科学館のシンボルでもある塔時計を制御している親時計。この時計は、独立行政法人情報通信研究機構のテレホンJJYから電話回線で時刻情報を受信して、自動的に補正するようになっています。その精度は+-1/100秒以下です。

観測資料室

天体観測の歴史

天体観測の歴史を、人物や発見された天体とともに時系列で紹介しています。観測史、発見史、宇宙開発史、観測機器・天文施設の歴史年表など、天体観測の歴史を楽しみながら学べるコーナーです。

宇宙観世界地図

大昔の人たちは、自分たちの住む世界や自然界を知るために、神話や伝説と宇宙をむすびつけ、独特な世界観や時の経過を知る暦を生み出しました。

古代天文遺跡模型

エジプトのギザのピラミッド、イギリスのストーンヘンジ、インドのサムラート・ヤントラ、中国の北京天文台、メキシコのチチェン・イツァーのピラミッドなどの古代天文遺跡を模型で紹介しています。

観測技術の発達

ガリレオが使った望遠鏡やニュートンが作った望遠鏡のしくみを模型とともに解説しています。その他、野辺山電波望遠鏡(1/235)、ハーシェル望遠鏡(1/100)、ハッブル望遠鏡(1/70)、すばる望遠鏡(1/220)の模型なども展示します。

天体観測ナビゲーション

モニターで天体観測について調べることができます。

特別展示室

時期に合った特別展を開催するためのゾーンです。定期的に展示が入れかわります。

天文サロン

天文や科学に関する書籍や雑誌があり、自由にご覧いただけます。